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読書記録とか。

芸人と影

ビートたけし師匠新刊! 週刊ポストのアレ!

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芸人と影 /ビートたけし
小学館新書

別の本を買いに行ったら偶々宣伝されていたのでこちらも買ってきた。 そろそろ来るかなとは思いつつもなかなか見かけず……少し前に発売していた、出遅れた。
毎年、楽しみにしてて、今年もやっぱり楽しかった……今回も一日で一気読み。
一年の話題を面白おかしく振り返る世界のキタノこと、ビートたけし師匠の週刊ポスト連載ネタ新書!

芸事に携わる人の粋等を垣間見る事が出来るので読んでて勉強になることも多い。
ああ、そんな考え方があるんだ、って。

『芸人は芸で笑わせなきゃならない。 何もしないで笑われたり、世間から同情を買ってどうする』
『(とある元プロ野球選手に対して) ヤクザに憧れるんじゃなく、ヤクザから憧れられる存在にだってなれたはずなのに』

厳しくも優しさを感じる視点が参考になる。
もちろん、全てに同意出来るわけではない ( どうせやるならチンチロリン増税~の下りとか。 いやいや税金に博打て?! まあ勿論ネタのひとつなので深刻に捉える方が間違いではあるしネタとしてみたら面白い ) けど、72歳という年齢を感じさせずに第一線に出続けている人の言う言葉にはじんと来るものも多い。

『オイラだって、破天荒してる時間よりもネタを考えたり本を読んでいる時間の方が多かったかもしれないぜ』

かなりサラッと書かれてるけれど、この通りなんだろうと思う。
テレビ番組の平成教育委員会はたけし師匠が ( 余暇に ) 私立中学の入試問題を解きまくっていた時に着想を得て構成を練り、結果、『大人には意外にも難しく、考え方が柔軟な子どもは結構解けちゃう問題ってのがヒットした』んだね。
たけし師匠は自分は何もせず今の地位を獲得したわけではなく、今もご自身でがむしゃらに活動なさっていてその点を本当に尊敬する。
というか色々と頭の回転が良いんだよなあ、真似できない。 ただ、その裏には試行錯誤と日々の情報収集があるんだろう。

色んな事件があったなあ……。沁々。
吉本興業の話が皮切りで序盤はかなり真面目な書き出しだった。 闇営業の件、かなり真剣に記載されてる。
中盤以降はいつものたけし節。 平成を振り返るシーンでは『船場吉兆ささやき女将』とか出てきたのは笑ったけど。 もう忘れてたわ……今は息子さんが北新地に店だしてるのね、そうだったのか……。
STAP細胞だとか懐かしい話もチラッと出てたけど、その年代のレジェンドは野々村真氏だそうな。
野々村さんはたけしさんが生きてる限りネタにされそう。 個人的には佐村河内氏のがレジェンドなんだけれど、芸人の視点からすればやはりあの『泣き』がポイント高いんだろうか……?

週刊ポストと提携しているシリーズの新書は、その週刊誌での連載が元ネタなので、当時のニュースや芸能人・著名人の名前などを覚えていないと理解できないネタも多い。 基本は話題になったものが大半なので『そんなこともあったあった、』とサクサク読めるけれど、例えばこの一年は日本に居なくてニュースわかんない! だと、読み進めるのはやや難しいシーンあるかも。


明日もビートたけし名義で新書を発売するとの事なので書店見てこよう。


※故・内田裕也さんの話は毎度毎度面白すぎる
※『寿司屋でイクラ頼むのにシャケのベイビーって絶叫するんだから』は、さすがに笑う
※これも決して意地悪で故人を紹介している訳ではないのが伝わってくる。 読んでて少し寂しかった